アクリル絵の具のテクニック集として15のテクニックの、14番目の「有色下地を使う」について記事にしたいと思います。
油彩画というのはその昔フランドル地方(フランドル派)の画家たちが生み出した技法です。
有色下地とは
・市販のキャンバスやボード等に色を付けてから着色を始める事で、仕上がりに白い支持体では表現できなかった存在感や印象を与える事が目的で作る下地。
・黒色ジェッソや有彩色下地は過去に画家たちからの要望でメーカーが期待に応える形で作り出したながれがあるそうです。
・画面全体の調和をとる事が容易に出来る支持体である。
上にも書いたように今迄に無かった表現を求める場合もあれば、市販の支持体に発色が今一つや色の定着が悪いなどの場合にも下地を施す場合があります。
有色下地の作り方・進め方
・簡単に有彩色下地を作りたいなら、アクリル絵の具や油絵具を支持体に塗ってやれば簡単に出来ます。
絵の具などで下地を作るデメリット
・絵の具代でコスパが悪い。
・絵の具で下地を作ると顔料の粒子が細かいので着色時に絵の具ののりが悪くなり易い。
ではここから有色下地を作ってから色を塗って行きたいと思います。
・上の画像を着色していきたいと思います。
・今回は狭い範囲なのでアクリル絵の具だけで下地を作り始めて行きたいと思います。
使った色は
・アイボリーブラック
・ローアンバー
・ジンホワイト
・ウルトラマリンブルー
せっかくなので「マチエール作り」で勉強した事の中に着色して絵の具が乾く前にサランラップで面白いマチエール作りをしてから作業を進めて行きたいと思います。
・サランラップでマチエールを作った上から
ウルトラマリンやローアンバーでグレーズをして下地作りを終えています。
・ここに上の指のスケッチをトレーシングペーパーでトレースします。
・ここから指のラインや皺などをローアンバーで少し濃くようになぞりました。
・指の大まかな色は下地の色を使うようにしています。
(このため絵の具の使用する量が減るんですね。)
・そして影の部分も薄く様子を見ながらローアンバーで着色していきます。
・そして今度は明るいハイライト部分にジンホワイトを薄く着色して行きます。
・明暗の部分を上に書いているような感じで何回か繰り返します。
・ここでちょっと遊び心でジンホワイトとウルトラマリンブルーをさらに薄くグレーズしてからハイライト部分を塗って完成としました。
有色下地を使う効果と魅力
・有彩色ジェッソを使えば絵の具の顔料だけで下地を作るよりも約半分位の価格で有彩色下地を作ることが出来ます。
・下地の色は普通ならグレー系やオーカーブラウンの色を使うようです。
ただし普通のグレーでは無くて、青系や緑系、そして褐色系の色を使う事で渋みのある味わい深い下地になります。
・ローアンバーやローシェンナは緑系の色
・バーントシェンナは赤系
・仕上げの全体的な色のイメージが分かれば
下地の色に補色を使ってみるのも、印象的で味わい深いイメージに仕上がる。
有色下地を使い分かった事
・白色という色がよりほかの下地よりも印象的に見えます。
・明度彩度にに於いては低くなり易い傾向がある。
・描画的に明るい部分と暗い部分のバランスがコントラスト的に良ければ描きやすい。
(自分でバランスを変更する)
・有彩色ジェッソを使えば絵の具だけで下地を作るよりも約半分くらいの値段で作業が出来ます。
あなた自身で色々と試してみて楽しんでください。
- スグラフィート
- スカンブリング
- グレージング
- ステンシル
- ブレンディング
- ドライブラシ
- マチエールの作り方
- コラージュ
- ドリッピング
- スパッタリング
- スクレイピング
- ハッチング(クロスハッチング)
- ブロック・イン技法
- 有色下地を使う
- マスキングをする方法
以上の15のテクニックについて説明していますが、さらに全てのテクニックを同じモチーフ(賀茂なす)を使い「実践版」でお見せしています。
『【実践】カンタン・楽しいアクリル画技法』もぜひ併せてそれぞれのテクニックを見比べて下さい。
では最後まで本当にありがとう!
では最後にまたまた
「絶対にやるべき基礎デッサン」内で決めた目標の毎日10分デッサンの画像を良かったら見てください
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