わかりやすく解説!【油彩】その①(油彩とは)で、
油絵具のことや、油絵のメリット・デメリットなどをお話ししました。
今回は、初めて油絵を始めようと思っている方むけに、
どんな道具が必要なのかを詳しく紹介していきたいと思います。
準備するもの
これから油絵を始めようとされる方は、道具を個々に選ぶよりも、
最低限必要な道具がセットになっているものが売っていますので、
そちらを購入されるのが良いかと思います。
スターターセットが5000~8000円くらいであります。
では道具にはどんな物が必要なのか、ひとつひとつ紹介していきます。
油絵具
最初は、12色~15色あれば良いと思います。
基本の色がセットになったものがあるので、まずはそれを準備し、
必要に応じてバラの絵の具を買い足していけば良いでしょう。
筆
油絵は粘りがあるので、それに負けない弾力と耐久性のある硬毛(豚毛)が基本になります。
まずは豚毛のラウンド・フィルバート・フラットの3種類の筆を、
大きさ6~14号のもの6~8本ほど準備しましょう。
◆フィルバート◆
平筆で、先端が半円形に使い込んだ形にしてあり、
初心者には大変使いやすい筆です。
◆フラット◆
平筆。
◆ラウンド◆
丸型の筆。
最初は豚毛だけで充分だと思います。
後から徐々に柔らかい筆や細い筆を買い足していけば良いです。
インパクト・力感を表現する描法には硬毛が最適です。
クリーム状に柔らかく練った絵の具で細部を精密に描くには、
セーブル(テン毛)もしくは化繊の軟毛を使用します。
先がまとまるセーブルの丸筆を、最初に1本持っておいてよいかもしれません。
キャンバス
木枠に麻か綿を張った画布をキャンバスと言います。
一般的には麻布が多く、画面には白い目止めの塗料が塗ってあり、
荒目・中目・細目に分けられています。
初心者にはほどよい中目が描きやすいでしょう。
大きさは号数で記され、『1号』『2号』・・と号数が大きくなればキャンバスの大きさも大きくなります。
形は『F』『P』『M』の3種類があります。
『F』は人物画、『P』は風景画、『M』は海などの風景画を表しています。
初心者はF6号~10号くらいが描きやすいと思います。
パレット
絵具を出して混色したり、画用液を混ぜる土台として使います。
木製・プラスチック製・紙製などありますが、
木製のものが一番、絵の具を並べたり混ぜ合わせやすいと思います。
屋外で描く時は、使い捨てできる紙製が便利かもしれませんね。
ペンティングナイフ
筆の代わりに絵の具を塗り込んだり、盛り上げたり、
掻き取ったりする時に使います。
筆では出せない独特な効果を生み出すことができます。
形状はたくさんの種類がありますが、
最初は使い易そうなものを1本持っていれば良いと思います。
溶き油・画用液
チューブの絵の具は適度な練り具合でチューブに入っていますが、
使う際には表現に応じて溶き油で軟めたり、
流動的にしたりして、使い易い濃度にします。
また、筆の滑りをようしたり、発色の輝きを助けたり、
絵肌に変化を与えようとする目的で使ったりします。
が、溶き油の使いすぎには注意しましょう。
溶き油には「乾性油」(リンシード油・ポピー油)と、
「揮発性油」(テレピン油・ペトロール)があります。
(詳しくは、わかりやすく解説!【絵画の技法】油彩(その1・油彩とは)の
『油絵具ってどんなもの?』のところに載せています。)
初心者は、あらかじめ調合してある「ペインティングオイル」を使うのが良いと思います。
イーゼル
キャンバスを固定して立てかけるための土台です。
油絵用のイーゼルは高価なので、
デッサンで使われる木製のイーゼルでよいです。
筆洗油(ブラシクリーナー)
筆を洗浄するための揮発性油です。
無臭のものもあります。
筆洗器
筆洗油を入れる容器で、筆を洗うために工夫されています。
中に網目状、または細かく穴の空いた仕切りがあり、
絵具汚れがその下に溜まるようになっています。
蓋が付いていて、揮発性の筆洗油を密閉できるように、
安定した金属製の容器です。
その他、あったら便利なもの
<油壺>
画用液を入れて、パレットに固定して使います。
パレットに出している絵具に画溶液を混ぜやすいのが利点です。
蓋が付いているので、しっかり密閉できます。
<キャンバスクリップ>
キャンバスに描かれた絵の具が乾いていない時に、
絵を運ぶ時に使います。
描いているキャンバスと同じ大きさのキャンバスを用意し、
2枚の表面を向かい合わせで1cmほど間をあけ、
キャンバスクリップを上下左右に装着します。
固定されているので、乾いていない絵の具に触れずに
持ち運ぶことができます。
<ボロ布>
キャンバスにのせた絵の具を拭ったり、
パレットや筆についた、いらない絵の具を拭い取るのに使います。
絵具を拭うのに、タオルは細かい糸が出てくるので使い辛いです。
いらなくなった古いシャツ(綿がオススメ)を、
10㎝角程度の使い易い大きさに切っておくと便利です。
最後に筆を洗った後の水気を拭き取るのには、
タオルがあれば便利です。
次回、わかりやすく解説!【油彩】その③(手順)では、
油絵を描く手順や後片付け、
油絵で使う技法について紹介したいと思います。
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