以前にもアクリル絵の具の秘密-1でアクリル絵の具の顔料の事について記事にしたけど、今回はさらに深くタイプ別にそれぞれの特徴を掴み、正しい混色の技を身に付けたいと思っています。
絵の具の色の名前で同じような物が多数有りますよね。
(例)フタロ(ブルー・グリーン)
キナクリドン
カドミウム等
そこでこれらの特徴を理解し、混色することでよりスムーズに絵の制作が進み、今まで以上の作品に仕上げることが出来るはずです。
そこでもう一度おさらいの部分と
新しい内容を追加して書いて行きます。
<無機顔料>
・自然から採掘された鉱物などや、それらを合成した色材。
・多くの無機顔料は、彩度と着色力が比較的低く
中~高度の不透明度がある。
・無機顔料を混ぜると彩度は低くなるが隠ぺい力(不透明度)は高い。
・比較的安価。
・有機顔料より耐光性・耐熱性に有利で耐候性に優れている。
(例)着色力が強い色、青と着色力が弱い黄色を混ぜた場合
青寄りの緑になると言う事です。
隠ぺい力とは
何かの色の上に別の色を置いた時に
下の色を隠す色の力の事。
ーカドミウムー
・レッドダーク
・レッドミディアム
・レッドライト
・オレンジ
・イエロダーク等々・・・
特徴
着色力、耐光性、不透明性良好な混色特性、強力な彩度の組み合わせに於いて最高。
ーコバルトー
・チタネイトグリーン
・グリーン
・テール
・ターコイズ
・ブルー等々・・・
特徴
特に強い耐光性、不透明性を持つ。
ーチタニウムホワイトー
特徴
強い不透明性を持ち着色力も強く少量で他の色を変える力を持つ。
ーシェナーー
・ローシェナー
・バーントシェナー
特徴
・生産地の粘土を原料としているためにこの名前が付いているようです。
・ 生の状態の物をローシェナー、過熱した物をバーントシェナーとしています。
<有機顔料>
・化学反応から生まれた、人為的に作られた色
・彩度が高い。着色力が強い。透明性が高い
・光に強く耐光性に優れている
・鮮やかな混色に優れている
―フタロシアニンー
・ブルー
・グリーン
・ターコイズフタロ等
特徴
・耐光性、耐熱性、耐薬品性の特徴に
優れたブルー・グリーン系顔料で着色力が強く鮮やか
ーキナクリドンー
・クリムソン
・レッド
・マゼンダ他・・・・
特徴
透明度が高く、混色に最適でグレーズ技法に効果を発揮する
以上ここまでが簡単になんですが
ある特定の物質から何種類かの色が出されてい色の特徴を書き出しました。
ここからは実際に絵の具を使い試してみた結果を
画像を使い正しい混色の技を説明していきます。
まず最初にハンザイエローオペークで太いラインを横にひき
縦に不透明性を持つ無機顔料の
コバルトブルーと
透明度の高い
フタロブルー(レッド)
フタロブルー(グリーン)
を重ねた場合どんな違いがあるのか見てみました
今回試してみた結果では
思ったよりも不透明・透明性の違いは
大きく出なかったという印象で
多少コバルトの不透明性が出てるかなってぐらいで
後はやはりフタロ系の方が透明色というだけあり
綺麗に色が出ていて重ね塗りには向いているのが分かりました。
では次に混色した場合はどうなのか?
すいませんちょっと色がはっきり画面では出ていませんが
結果的にはやはり不透明色・無機顔料のコバルトブルーの混色が
やや濁りを感じられます。
次は無機顔料で不透明色の
コバルトグリーンと
有機顔料で透明色の
フタログリーンの
重ね塗り(グレーズ)の向き不向き
を試してみました。
やはり透明色のフタログリーンが重ね塗りに向いている結果が分かり易く出ています。
そして色を変えて
もう一例見て下さい
無機顔料で不透明色の
カドミウムレッドダークと
有機顔料で透明色の
キナクリドンマゼンダの
重ね塗り(グレーズ)の向き不向き
を試してみました。
これも分かり易い結果が出ました。
明らかにキナクリドンマゼンダの方が
綺麗に重ね塗り出来そうなのが分かります
後は重ね塗りする場合に絵の具の量を調節して
綺麗な重ね塗り(グレーズ)にこの知識を活かしてみたいと思います。
どうでしたか?
それぞれの色の特徴を知って混色すれば
失敗の少ない正しい混色の技である
様々な混色や重ね塗り(グレーズ)が出来ることが
なんとなく分かりましたね。
因みに色の名前の前についている
フタロやキナクリドンなどの事を
接頭辞というらしいです。
それと豆知識的な事なんですが
不透明色には透明色の色を混色すると深みのある色が作り出せます。
では最後まで読んでくれてありがとう。
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では最後にまたまた
「絶対にやるべき基礎デッサン」内で決めた目標の毎日10分デッサンの画像を見てください。
コメント
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