「さて、筆を買いに行こう。」
絵画を始める時、筆は最も大事なアイテムです。
でも、画材屋の筆売り場の前で、思わず立ち尽くしてしまったのではないでしょうか?
筆には種類がたくさんありますが、
「油彩用」とか「水彩用」とかいう限定はされていません。
なので、一体どれを選べばいいのかわかりませんよね。
そ・こ・で・・・
今回の記事をぜひ、筆選びの参考にしてください。
筆にはどんな獣の毛が使われている?
画用筆は主に獣の原毛が使われています。
その種類によって、特質は違います。
今回は、毛の種類と特徴についてまとめ、
一般的に、どんな絵画の制作に使われているのかも
記しています。(画像は一例です。)
豚
剛毛。弾力がある。復元性に優れている。
毛先は、1本の毛の穂先が2~3本に枝分かれ絵の具を掴む。
固練りの絵の具に適している。
油彩に使用される。
タヌキ
軟毛。しなやかな毛質。
絵の具の含みが良い。
水切れが良い。
油彩・日本画・デザイン画に使用される。
馬
最もポピュラーな筆用の毛。
軟毛。穂先がまとまりやすい。
ほどよい復元性がある。
水の含みが良い。
油彩・水彩・日本画に使用される。
セーブル(テン・イタチ)
軟毛。しなやかで弾力性に優れている。
絵の具の含みが良い。
穂先がまとまりやすい。
適度な復元性を持っている。
水彩・アクリル画・日本画に使用される。
【コリンスキーセーブル】
寒冷地で摂れたものほど良質で、
しなやかさ・弾力面では、シベリア産コリンスキーセーブルが、
高価で最上級品。
しなやかでコシがあり、毛先がスっととがる。
水の含みが良い。
塗りにも描画にも威力を発揮する。
油彩・水彩・日本画・デザイン画などなど
オールマイティに使用される。
リス
しなやかな軟毛。細い。まとまりやすい。
セーブルより絵の具の含みが良い。
弾力性がある。
穂先を生かして部描写に適する。
油彩・水彩画・日本画・デザイン画に使用される。
山羊
軟毛。まとまりが良い。
水の含みに優れている。
復元性がある。
毛の消耗度が低く長命。
日本画・水彩画・デザイン画に使用される。
猫
軟毛。細い。
他の毛にはない独特の毛質。
細かい描画に使われる。
背筋の毛を使われ、たいへん高価。
毛の命は短い。
日本画・デザイン画に使用される。
オックス(牛)
軟毛。弾力がある。
絵の具の含みがよい。
セーブルに似た性質。
牡牛の耳の毛はオックスヘアーとして高級品。
油彩・水彩に使用される。
ナイロン
原毛ではありませんが、紹介しておきます。
研究が進み、原毛に近いものも中にはあります。
化学繊維を使ったもの。
色々な質のものが作られている。
弾力があり、穂先のまとまりが良い。
絵の具の含みは、やや物足りない。
手入れがしやすい。
量産できるので安価。
油彩・水彩・アクリル画に使用される。
一般的にどんな絵画に使われる筆なのか、
赤字で記しましたが、
これはあくまで「一般的に」ですので、
必ずしも「〇〇用」ということではありませんので、
絵の具の使い方や描写の仕方によっては、
これ以外でもピッタリくるかもしれません。
色々試して、自分に合った筆を見つけてください。
最近書いた下の記事は
筆に関して人気のある記事で
20数年絵を描いてきた画家として
人にこの3点の筆の中から進めるなら「これ!」
っていう理由を動画と画像の中で解説しています。
【動画】3種類の筆の特徴!セーブル、ナイロン、リセーブル筆の違い
下の記事は20数年のキャリアの中で
結局使うのは「この10本の筆!」とその理由を
動画と画像で紹介しています。
動画で解説!画業20年以上のキャリアから、選ぶべきアクリル画の筆の紹介
油絵風・水彩画風にしたい時の筆選びのコツや
大切な筆の保管の仕方や筆の困った時の対処の仕方。
ナイロン製の筆をお勧めする理由等
ありがとうございました。
では最後にまたまた
「絶対にやるべき基礎デッサン」内で決めた目標の毎日10分デッサンの画像を良かったら見てください。
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