『笛を吹く少年』などの絵画を残した印象派の画家エドゥアール・マネは、ことあるごとに同じ印象派の画家であるクロード・モネと間違われていた。上品で紳士的であると評判だったマネも、いくどとなく間違われることにいつも怒っていたという。1866年にフランスでも行われた展覧会ではマネの名前でモネの作品が飾られる事件が起きた。マネとモネ、確かに紛らわしい。
青森が生んだゴッホこと棟方志功
2017年、絵画に関するとんでもない事件が発覚しました。
なんと!
神奈川県が所有し、県民ホールに保管されていた棟方志功の版画作品が
カラーコピーとすり替えられていたのです。
こんな時代でもそんな事があるなんて!
いつ、どこで、誰がすり替えたのか、未だわかっていません。
■作品の移動ルート■
1974年 県民ホールの緞帳(※1)の原画にするため、県が依頼し、
棟方から直接300万円で購入。(※2)
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緞帳制作会社に一時預ける。
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県民ホール指定管理者「神奈川芸術文化財団」が管理をし、
額に入れホールの館長室に展示。
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2013年 県立近代美術館の収蔵室で保管。
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2014年 一般公開した際、観覧者からの指摘により偽物と発覚。
2017年4月17日 公表。
(※1)緞帳・・劇場の舞台と観客とを仕切る垂れ幕
(※2)作品・・「宇宙讃(神奈雅和(かながわ)の柵)」縦51cm、横65cm
■一体いつすり替えられた?■
コピーの性能から言っても、購入直後はないやろうね。
ホールの館長室への侵入が無理やとすると、
県立近代美術館の保管前か?一般公開前か?と予測されます。
■ポイント■
『すり替えられていた』
一旦作品を盗んで持ち帰り、コピーして、再び元に戻す。
一般人が盗むのであれば、わざわざコピーして、元の場所に戻すやろうか?
そもそも、偽物発覚した一般公開の時以外は、一般の人が立ち入れない場所に保管されていました。
移送時ももちろんそうでしょう。
【推測される可能性】
直接作品に触れる事のできる、内部の犯行の可能性が高いと言えます。
カラーコピーをして、何事もなかったかのように元に戻すといった用意周到なやりくちからも、内部犯行説が有力と言えるでしょう。
■発覚から3年も公表しなかった理由■
県民ホールの指定管理者である神奈川芸術財団は
歴代館長らに聴取したり
「ホール内のどこかに本物があると思って探したりして対応が遅れた」話しています。
■偽物の真実■
この事件を聞いた時「さすがやな、今のコピー機の性能は。」と思わず感心してしまった。
が!!
本物は和紙に刷られたものなのだが、コピーされたのはなんと普通紙。
客の指摘で見つかったとは、なんとも恥ずかし過ぎる話ですね~。
ところで、犯人はコピーした後、上下さかさまに額に張りつけていたようです。
盗んで、どこかでコピーをし、額に入れて現場に戻った時、
「はっ!やばい!さかさまだ!」と気づいたけど、
貼りかえている時間の余裕がない。
そして、額縁ごとさかさまに飾れるように、額の裏にある吊り下げ用の金具の位置を動かしたのです。
■この作品も今まで盗作された名画と同じように未解決事件となるのか?■
大型コピー機であることと、インクを詳しく調べれば、
コピー機の製造番号を特定することは簡単なのではないかな?
大型コピー機は、あまり一般家庭で使われることはないやろうし、
販売先も絞られてくるのでは?
使われていた紙も何か手掛かりになるかもしれない。
ただ、コピーされた時期が特定できないとなると、犯人捜しはやはり難しいでしょう。
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